あなたは、ファイナルファンタジーというゲームを遊んだことがありますか?
シリーズは15作品にまで及び、派生作品も含めると何十作品もあるファイナルファンタジー。
「ああ、遊んだことあるよ!」という人も多いのではないでしょうか。
………では、アニメのファイナルファンタジーは見たことありますか?
2001年に放映していたアニメ『FF:U 〜ファイナルファンタジー:アンリミテッド〜』を知ってますか?
………見たことがない方も、知らない方も、もしかすると多いかもしれません。
大人の事情で、色んなことがうやむやになってしまったFF:U………
………アニメを見たことある私も、記憶はかなりあいまいですが、うやむやな記憶を探りつつ、FF:Uについてお話したいと思います。
アニメ『FF:U 〜ファイナルファンタジー:アンリミテッド〜』って何?
ゲームのファイナルファンタジーシリーズなら、多くの人が触れたことがあるでしょう。
なにせNHKでも特番が組まれたくらいです。税金を使ってファイナルファンタジーの話がされる時代ですよ。
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ゲームのファイナルファンタジーは有名です。特番が組まれるほどには、有名だと思います。
ですが、『FF:U 〜ファイナルファンタジー:アンリミテッド〜』(通称FF:U)というアニメ。
………あまり知られてない気がします。Twitterで叫んでみたことがあるんですけど、特に誰からも反応がありませんでした。ツイートを誰にも見られなかっただけかもしれんけど。
ファイナルファンタジーアンリミテッドをリアルタイムで見ていた皆さん!!!!!!!!!!!!!
— 膝夜叉の 膝野まえ (@hizano_mae) August 29, 2020
『FF:U 〜ファイナルファンタジー:アンリミテッド〜』………。
このアニメはあの大人気RPG・ファイナルファンタジーシリーズの名を冠した、れっきとしたファイナルファンタジー関連の作品です。
ファイナルファンタジーのアニメです。
とはいえファイナルファンタジーシリーズは、基本的に作品同士の繋がりがありません。
「ファイナルファンタジー」の名前はついているけれど、基本的に別作品となっております。
(ゲーム中に出てくる魔法やアイテムは、シリーズを通して同じものが出ることは多々ありますが)
なのでFF:Uも、ゲームのファイナルファンタジーとはほぼ関係がないといっても過言ではありません。
(FF:Uにも、ファイナルファンタジーシリーズでよく使われる魔法は出てきますが…)
ファイナルファンタジーの舞台は、中世ヨーロッパ風だったり、近代文明など多岐多様にわたるのですが、FF:Uは日本が出てきます。
日本海に奇妙な…竜巻?…嵐?…まあなんか縦長のものが現れたところから、物語は始まります。
………日本海が出てくるファイナルファンタジー。
多分ですけど、FF:Uだけだと思います。新宿みたいなのが出てきたファイナルファンタジーはありましたけど。
まあ舞台は直後に、日本とは打って変わって完全にファンタジーな別世界へと移り変わるので、日本海が出てくるのはちょびっとだけなんですけどね…
どんなストーリーなの?
話をすごくコンパクトにまとめると、行方不明になった両親を探しに、双子の姉弟アイとユウが異界に行って、モンスターと戦ったり異界の人々に出会うっていう話です。
(異世界ではなく異界と呼ぶあたりが、ファイナルファンタジーっぽい気がします。FF10を彷彿とさせますね)
新潟県佐渡島沖に突如立ち昇った「闇の柱」。そこから巨大な黒い竜と白い龍が出現し、二頭は壮絶な戦いの末に消滅した。その時、闇の柱に巻き込まれ「異界」へと飛ばされたハヤカワ夫妻。彼らは異界を旅した後に現界へと戻り、異界物理学の第一人者となる。
「界列の日」と名付けられたその日から12年後、闇の柱は観光名所にまでなっていた。いつものように闇の柱が見える岬に出かけたハヤカワ夫妻だったが、そのまま消息不明となる。アイとユウのハヤカワ姉弟は自らの手で両親を探すことを決め、謎の地下鉄に乗って異界へと旅立つ。
日本海に出現した縦長のもの、「闇の柱」って言うんですね…
さて。異界に行ったアイとユウ、ここで大変な問題が発生しています。してるんです。
異界はマジもんのファンタジーワールドなので、モンスターとか魔法とか出てきます。
アイとユウ、ただの子供です。
戦えない、そこらへんにいる子供です。
………果たして大丈夫なんでしょうか。
絶対に大丈夫ではありません。アイもユウも戦闘能力がないのは危険すぎます。
さすがに製作スタッフも「子供だけじゃまずい!」と思ったのでしょう。
アイとユウは、武術を使う女性・リサと出会います。
こうして物語はアイ、ユウ、リサの3人を中心に進行します。
どんなキャラが出てくるの?
強気で元気な少女、アイ。
弱気で優しい少年、ユウ。
「氣現術」という武術の使い手、リサ。
基本的にこの3人を中心に、物語は進んでいきます。
アイとユウは小学生です。特に戦えるわけでもない、普通の小学生です。
本当に普通かって言われると、普通ではないんですけど…
なので、なんかすごい武術「氣現術」の使い手であるリサが、モンスターと戦います。
(私は「リサってFF7のティファっぽいな~」と思ってたのですが、制作スタッフ曰く「リサはFF7のエアリスをイメージして作られた」らしいです。そっちだったか…)
とはいっても、リサも普通の人間です。(なんかすごい武術を使う人間は普通ではないが)
そのため、モンスターを完全に倒すことはできなかったりします。
では誰がモンスターを倒すのか?
はい、ここで主人公の出番です。
………………そう。主人公は、アイでもユウでもリサでもありません。
全然しゃべらないし、たまにしか現れない主人公――風(かぜ)――
今の今まで、全く話に出てきませんでしたが、風が主人公です。
いやね、さっきもストーリーを書いてるうちに思ったんですよ。
「う~ん、主人公の風が全然出てこないな」って………
マジで話に出すタイミングがわからんかったんよ…
(というかもしかして風って、アニメに結構出てきてた?アイとかユウとかリサの印象が強すぎて、風のことをはっきりと思い出せないのですが…)
では風はどんな人物かというと、FF7のヴィンセントみたいな感じを想像してください。それで9割がた合ってます。
(ヴィンセントのフィギュアをAm○zonで探してきました。これの色違いが風といってもおおよそ差し支えないです)
いやほんと、ヴィンセントの髪を赤くして、マントを黒くすれば、ほぼ風です。
風はもはやヴィンセントです。
しかし風のヴィンセントっぷりは、見た目だけに留まりません。
なんと風は銃を使います。もはやヴィンセントです。
「お前にふさわしいソイルは決まった!」(うろ覚えですがこんな感じのセリフです)というセリフと共に、3つ銃弾を選んで発射したら、銃弾が合体して召喚獣になるみたいな………そんな技を使ってました。(すみませんうろ覚えです)
というかウィキペディアによると、製作スタッフも、ヴィンセントを意識して風を作ってるらしいですね。合点がいきました。やはり風はヴィンセントです。
他のキャラクターでいえば、ファイナルファンタジーシリーズではお馴染みの、シドがいます。なんとシドは若い男です。
(「シドがおじさんじゃない?!」ということで、当時の私はビックリしました)
(途中で魔法にかかってカエルになりますが乙女のキッスで元に戻ります。乙女のキッスで。ここは意味深です)
それで最後はどうなったの?
FF:Uは2001年の作品です。
2001年といえば、FF10が発売されたり、『映画ファイナルファンタジー』が上映されるなど、ファイナルファンタジーが勢いづいていた時期と言えるかもしれません。
………そう、『映画ファイナルファンタジー』。
映画は、その………色々と大変なことになったんですよ。
それで映画の諸々の事情が絡んできてしまい、FF:Uの最終回はリサがストーリーの謎を大体しゃべってくれるという終わりになりました。
………この、ストーリーの謎をキャラクターにしゃべらせるという手段。
作品を作ることが諸事情で行き詰ったときにやる、そんな手段ですね。
リサが「本当はあれがこれで何がこうで…」としゃべってくれたものの、色んな謎を残したまま、FF:Uは幕を閉じてしまいました。
あまりにもギュウギュウ詰めの最終回だったためか、アニメ放送終了後にインターネットでは「続編が見たい」という声を多く上がりました。
ファイナルファンタジー:アンリミテッドは『夢』だった――
2001年といえば、FF10が物語のその切なさと儚さで、日本中を涙の海におおっていました。
しかしその一方で、『映画ファイナルファンタジー』が色々大変なことになり、果てはアニメであるFF:Uまでもがその存在が薄れることになっていたのです。
………同じファイナルファンタジーでも、こんなに悲しくそして仄暗いことがあるでしょうか?
ネタバレになるので明言は避けますが、FF10といえば『夢』が出てきます。
ですが本当に『夢』だったのは、同じ時代を生きた『映画ファイナルファンタジー』と、FF:Uだったのかもしれません――
(いやマジで続編見たいな…)