膝のまえのホニャララ

~病気でも人生を楽しくするオタク女のブログ~

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日本むかし精神疾患ものがたり~双極性障害の桃太郎~

日本むかし精神疾患ものがたり~双極性障害の桃太郎~

昔々あるところに、おじいさんとおばあさんと桃太郎が住んでいました。

桃太郎は双極性障害という精神疾患を持っていました。

この精神疾患は『躁』と呼ばれるハイな時期と、反対に『うつ』というローな時期を繰り返すものです。

そのため桃太郎は『躁』の時期になると、村中を荒らして村人に迷惑をかけることも多くありました。

反対に『うつ』の時期になると、布団に寝たきりになってしまい、ご飯もマトモに食べれなくなり、ときには生きるのをやめたくなることもありました。

 

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ここ数週間、村の人たちは安心していました。

というのも、今の桃太郎は『うつ』の時期に入っており、村を荒らすことがなかったからです。

村人の誰もが、しばらくは平和な日々が続くと信じていました。

 

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ある日、桃太郎は『うつ』の症状がだいぶ落ち着いたので、数週間ぶりに村に出ました。

するとそこで信じられない話を聞きました。

なんと、普段は鬼ヶ島にいるはずの鬼がこの村にやってきて、村中を荒らしていったというのです。

村人たちはみんな表情が曇っていました。

桃太郎は、村人たちにこんな表情をさせた鬼を許せない、そう憤りました。

 

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早速家に帰った桃太郎は、おじいさんとおばあさんに、鬼ヶ島へ行って鬼退治をしてくることを伝えました。

おじいさんとおばあさんは、それは『躁』の状態になってるからやめなさいと、桃太郎を説得しようとしました。

しかし桃太郎の決意は固く、家にある少しの食料を持って、勢いのまま家を飛び出して行ってしまったのです。

 

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鬼ヶ島へ向かう途中、桃太郎は犬、サル、キジに出会いました。

犬もサルもキジも、一言も桃太郎に話しかけていないのに、無理やり仲間にされました。

仲間になる報酬として、桃太郎が家から持ってきたキビ団子を渡されても、みんな腑に落ちない顔をしています。

それでも桃太郎は、自分のやっていることが正しいと思っていて、仲間にしたどの動物たちも、自分のことを慕っていると疑っていませんでした。

 

このとき桃太郎は『躁』の時期に入っていたのですが、本人は気付いていませんでした。

 

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桃太郎たちが鬼ヶ島に着くと、なにやら桃太郎の様子がおかしいことに、動物たちは気付きました。

どうやら桃太郎は『躁』の時期が終わり、『うつ』の時期に入ってしまったようなのです。

今まで衝動的に活動していた桃太郎は、それまでの活発さが嘘のように、もう何もしたくないと言い出しました。

そして動物たちに、無理に鬼ヶ島まで連れてきたことを謝り、元々いた場所に帰って行って構わないと告げました。

動物たちは元々いた場所に帰って行きました。

 

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仲間を失い、たった一人になった桃太郎。

『うつ』の時期に入ったため、体は鉛のように重く、起き上がることすらままなりません。

それでも、ようやく鬼ヶ島まで辿り着いたのだからと、鬼がいる洞窟の中へと入って行きました。

するとそこには、目を見張るような光景が広がっていたのです。

 

なんと鬼は布団でうずくまっており、まるで病人のような姿でそこにいたのですから。

 

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桃太郎はてっきり、鬼は偉そうにふんぞり返っているだろうと想像していたので、鬼の様子に驚きました。

戸惑っている桃太郎に気付いた鬼は、自分のことは放っておいてくれと言いました。

そんな鬼の様子を見て、桃太郎はいくらなんでもおかしいと思い、一体何があったのかを鬼に問いただしました。

今にも力尽きてしまいそうな鬼は、ゆっくりと口を開いて、ポツリポツリと語り始めました。

 

ある日やたら元気になって、何をしても楽しくて何でもできるように感じていたこと。

 

村を襲いたいと考えたことなどなかったはずなのに、ついカッとなって村を襲ってしまったこと。

 

しかし突然、今までのエネルギーが切れたようになって、寝込む日々が続くようになったこと。

 

命を絶ちたくなったりもして、これはおかしいと思い病院に行ったこと。

 

行った先の病院で、双極性障害と診断されたこと。

 

 

そう。鬼も桃太郎と同じように、双極性障害だったのです。

 

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桃太郎にとって、鬼の境遇は他人事ではありませんでした。

だって桃太郎も、今まで何度も村に迷惑をかけて、何度も生きるのが嫌になったから。

 

桃太郎にとって、鬼は自分でした。

 

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さて、桃太郎と鬼はどうなったのでしょうか。

なにせ双極性障害の根本的な治療は、まだ確立されていません。

悲しいですが、しばらくは病気を完治させることは難しいでしょう。

 

でも、症状を改善することはできます。

 

きっと桃太郎と鬼は、それぞれ自分たちの症状を改善するために、治療に励むでしょう。

 

それに、双極性障害の治療が今後どのように発展していくかで、桃太郎たちの結末も変わるに違いありません。

 

それにしても、一体誰が病気になっているのか、誰にもわからないものですね。