障害者手帳も持っている、精神障害者の膝野まえです。
国や自治体が、雇用している障害者の人数を水増ししていたというニュース、見ましたか?
さすがに笑うよね。私は笑ってないけどね。
水増し問題の概要
現在は法律で『行政機関や企業は、一定の割合以上の障害者(身体、知的、精神問わず)を雇うこと』が義務づけられています。
特に民間企業の場合ですと、一定の障害者を雇えなかった場合は、納付金を納めなくてはいけません。
なのですが。
複数の省庁や各都道府県の自治体で、雇用している障害者の数が水増しされていたことが発覚しました。
つまり行政が「うちの組織では6000人の障害者が働いています!(実際は3000人)」と嘘を吐いていたわけです。
水増しの具体的な方法
具体的にどのように水増ししていたか、簡単に説明しますと…
障害者雇用って『障害者手帳を持ってる人を、障害者としてカウントする』んですよ。(もしくは指定医の診断書があることが条件)
それをなんと『障害者手帳を持ってない人を、障害者としてカウントしていた』とか…
これはアウトでしょ。
死亡者を障害者としてカウントしていた
2018年8月29日の新聞で、とんでもない事実が発覚しました。
死亡者を障害者雇用としてカウントしていたとのことです。
過去に亡くなった職員を、障害者としてカウントするって…
やり口が汚いでしょ…もはや笑いしかでない…
つーかよくそんな発想できるよね。
水増しされた理由は「メリットがないから」では
どうして雇用している障害者の数を水増ししたのか、考えてみました。
んでまあ、障害者を雇用するメリットがないと思われているからなのかなぁって。
障害者を雇用するメリットがあれば、わざわざ障害者雇用率の水増しなんてしないでしょ?
メリットがあるなら、障害者を雇えばいいだけの話だしね。
行政としては「障害者を雇ってもメリットがないから雇いたくない…でも一定の人数は雇わないといけないし…そうだ、水増ししよう!」という発想なのでは?
っちゅーことは、メリットさえあれば障害者を雇うのでは…?
なので障害者を雇うメリットを考えてみました。
障害者雇用をするメリットを考えてみた
メリット:自分が障害者になったときに働き口が見つかりやすい
障害者雇用をすすめれば、健常者がもし障害者になったとしても、働き口が見つかりやすくなります。
今は心身ともに健康な人だって、何かの拍子に障害者になってしまいます。(私も数年前までは健常者でした)
なので今のうちに障害者雇用をすすめておけば、健常者が障害者になったとしても、すぐに職が見つかるんじゃないでしょうか。
今までは健常者としてバリバリ働いていたのに、障害者になった瞬間に全く働けなくなってしまうとなると、生活も精神もボロボロになっていくでしょう。
だからこそ障害者雇用をすすめないと、いざとなったときに困るのは、健常者である人々かもしれません。
まあ現時点で一番困ってるのは、障害者なのですが。
そもそもメリットがあまり見つからない
自分で言うのもアレですけど、他にメリットが見つかりませんでした。
確かに障害者雇用は難しいと思います。
仮に私が企業側で「自分のような精神障害者を雇いたいかどうか」でいえば、雇いたくないです。
私は気分がハイな場合とローな場合とで扱いが難しいので、雇うのはわりとギャンブルでしょうし。
明るいときはメッチャ明るいから、一緒に仕事したら超楽しいかもしれませんが…笑
それに台風のように低気圧がひどい日は、不調になる障害者も多いし…仕事に来れないときは全然来れないやろな…
このように障害者である私自身が「障害者雇用はメリットが少ない」と感じているのですから、健常者ばかりが集う企業であれば、尚更その気持ちは強いでしょう。
かといって水増しを肯定はしませんけどね。
障害者雇用のメリットは『健常者のセーフティネットを作れること』
事故や病気で、誰だって障害者になる可能性はあります。
万が一、自分が障害者になったとき、働き口が見つからなかったらどうするのでしょうか。
もし今は健常者であっても、仮に障害者になったときのために、今のうちに障害者雇用をすすめておいた方が良いんじゃないでしょうか。
「障害者雇用をすすめないと、お前らも損をするかもしれないぞ!」という結論になってしまったのは、私自身、見苦しいとは感じているけどさ。
障害者雇用のメリットは『健常者が障害者になったときのセーフティネットを、今のうちに作っておけること』なんじゃない?
理想の雇用は、健常者とか障害者とか関係なしに、個々人を見ることだとは思うけども。